What You See, Locked in a Small Town@San Cristobal de las Casas

こんばんは。旅で役立つスペイン語講座の時間です。

まずは前回の復習から。

CUCHI-CUCHI

発音はクチクチです。意味はもちろん、hamaca sutra。ハンモック上での愛の時間ということです。

それでは来週この時間にまたお会いしましょう。さようなら。

—–

スペイン語吹き替えのハリウッドムービーを流すTVが突然消えたのが悲劇の皮切りでした。

次は車内に微弱な光をたたえていた照明灯、そして最後にエアコンとともにバスは完全に沈黙しました。夜中の12時過ぎ、森の中。

終始僕に遺跡関係のスペイン語単語を執拗に教え続けていた英語を話さない女性と僕以外、皆夢の中にいるようで話し声は聞こえません。

まぁ休憩か何かだろう。しかし杞憂に終わるべきという思いとは裏腹に運転席からはキュキュキューという何度もエンジンをかける音が。

30分もの格闘によるその不安な音の響きと、次第に蒸し暑くなってくる巨大な箱の中で人々はしだいに目を覚まし始めます。

すると運転手はすっくと立ち上がり、ひきつり笑いとともに

「わりー、車動かないわ」

的なことをあっさりといってのけました。

ここぞとばかりに誰にともなく罵声をあびせ続ける人々。タバコを吸いに外へ出る人たちやエンジンの調子をみにいく人々。

日常会話にまったく必要ない言語講座に少しうんざりしていた僕は、その流れに続くように車外へと飛び出しました。

そこではバス内で唯一英語の話せる、ロンドンから仕事で来ている男性がいたので彼に状況を説明しながらともに一服。

英語が話せることがこんなに嬉しいんだ、という喜びを感じたのは初めてな気がします。

母国語でない第二言語を伸ばすには、案外第三言語にも手を伸ばすという面倒なことが近道になるのかもしれません。

1時間半の停車、警察のヘルプの後、結局動かないバスの代替車が近くの街から到着し、乗り換えて出発。

その後中継地であるカンペシェで予想外の4時間待ち。ひとつ歯車が狂うとけっこうあとにも響きます。

結局目的地のサンクリストバルデラスカサス(以下サンクリ)へは夕方の4時ごろ到着。結局20時間かかりました。

サンクリに行くまでにけっこう山を越えたなぁとは思っていましたが、ここは標高も高く気温もかなり低いです。

朝晩は息が白くなるようなその場所は、街中どこへ行っても色鮮やかなフラッグがとても綺麗に風にたなびいていました。

まるでダウンタウンの端々を陣取るように、数多くのビビッドカラーの教会が建っています。

潔い色使いが、個人的にはメキシコ感たっぷりです。街自体もこじんまりしていてメキシコ人ばかり。

とりあえず先立つものをと思いATMでお金を下ろそうとするも、またもや銀行の都合で一時的に使えずと表示。

さすがに9ペソでは食べるものもままならないので銀行へ。すると窓口では、

「君のアカウント、残高0ペソって出てるよ?プププ」

と、まぁ実際は噴出してはいないものの、事実彼はけっこう愉快そうに僕に告げました

とりあえずなけなしの9ペソを使いネットカフェへ。まぁ日本などのものと違ってお茶なんかはでませんが。

親や彼女に連絡をしながら、skypeを使って銀行そしてカード会社へ連絡。

すると双方の答えは同じく、

 「原因不明です、へへへ」

というものでした。VISAカード許すまじ。

ここで所持金3ペソ。メキシコのど真ん中で30円しか持ってないのって、けっこうな恐怖です。

ただ僕はわりかしポジティブな性格なので、この時点ではあんまり心配はしていませんでした。

お金もないのでただただひたすら街中を散歩することに。歩くのはタダ。するとマーケット地域へとたどり着きました。

商品を売ることよりも並べることに命をかけている店舗の数々を見ているとお腹も減ってきます。

とは言えど、タコス1つ買えるかどうかという状況なのでしぶしぶ路上でタバコを吸って食欲をごまかしていると、

「タバコ一本もらえる?」

と、若いメキシカン男性に話しかけられました。単価が安いからか、メキシコでタバコをねだられることって意外とありません。

ともに街角で一服しながら、仕事でサンクリに来ている彼はやたらと、

「あの子かわいくない?ねぇ一緒に話しかけにいこうよ」

と年端も行かぬ少女を見つけては訊ねてきます。ろ、ロリコン

いや今はそれどころじゃないんだ、お金も寝るところもまったくないし、なによりそんな性癖もないし。ということを説明すると

それならまかせろ、ついて来いと言いながら僕をいろんな家屋へ連れて行きます。

中には靴屋、アクセサリー屋なども。どうやら彼は僕のために宿を探してくれているみたいなのです。なんて優しいんだメキシカン。

しかし時は年の瀬。わけのわからない片言スペイン語のアジア人を泊めたがるところはありません。

それならば、と僕らはダウンタウンの外れにあるという彼のおばさんの家を訪ねることに。

   その間にも彼は上記の台詞を吐きまくるので

「まさか俺って売春宿に誘導されているのでは」
  と真剣に疑心暗鬼におちいりつつあった僕は、彼が   “叔母”の家の鍵を開けている最中にカードやパスポート    などを靴下の中へ急いで隠しいれました。

出てきた叔母は予想外に若く、僕は少しずつ緊張しはじめましたが結果的にはここにも泊まることはできませんでした。

少し安心し、少し落ち込みながらも、僕は心の中で彼に非礼を詫びその場をあとにしました。

「Excuse me」

彼が話すことのできた英語は、sorryの代わりに言い続けるその言葉だけでした。あぁメキシコっていいところだなぁ。

そして僕は、開け放たれたドアから肌寒い風が吹き続ける長距離バスターミナルで座りながら夜を越すことになりました。

このとき片足を蚊に15箇所蜂には肩を2箇所ほど刺されましたが、明日が見えない僕には、かなりどうでもよかったです

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What You See, Locked in a Small Town@San Cristobal de las Casas” への2件のフィードバック

  1. Don\’t die! Come back to Winnipeg with your healthy body.

  2. Atushi>僕はもう帰ってきてますよ!たぶん、無事です。

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