アンチテーゼとしてのイカ焼き

 
ある日、僕は夢を見ました。
 
想像と欲望が折り返し運転をしているようなその場所に、僕は一人の老人を見つけたのです。大停電に見舞われた辺境の小都市のような、冷たく暗い場所に。
 
 「こんなところで何をしているのですか?」
 
その問い掛けを予期していたと言わんばかりに、彼は僕の言葉を遮るようにして答えました。
 
 「全てはもう過ぎ去るのみ」
 
言い終えるかどうか、というところで彼は一握の砂に成り果てました。
 
唯一彼の口から滑り落ちた言葉の語尾は、まるで彼とともに砂塵と化してしまったかのように僕の耳元を去って行きました。
 
そして僕は気付いたのです。沈黙という錠前で頑なに閉ざされた心の中で、自分が温めてしまっていた恐怖を彼が代弁してしまっていたことに。
 
 僕は時間が過ぎ去るのが怖かったのです。その見えない敵手が片時も僕のそばを離れないことが、ただただ怖かったのです。
 
 今日という、後にも先にも再び出会うことのない時間を、漫然と空費していることが。
 
目が覚めたとき僕はもう昨夜の僕ではありませんでした。今日という完全なる世界の中で、精一杯生きていくことを誓ったのです。
 
そして僕は朝焼けが山々を照らしてゆくその瞬間、
 
 
 「タコ焼きの中身をイカにしてやろうじゃないか!」
 
 
そうして閑古鳥が絶え間なく鳴いている春休みの一日を有効利用することを誓ったのです。イカに。
 
 
簡潔に言うと、チキチキ第1回タコ焼きパーティーをした、というだけです。材料はタコを始め、チーズ、キムチ、うどん、茶菓子、そしてイカ。
 
原価も安く漁獲量も多いイカが、なぜ大阪を代表する名物、いわゆる「タコ焼き」の素材として選ばれなかったのか。
 
その原因を究明するために開催したのですが、なんだか闇焼き的な様相を呈してしまいました。
 
 
約3時間にも及ぶ研究の結果、
 
 「タコの方がなんとなく美味い」
 
という科学的根拠に基づいた結果と相成りました。歯ごたえの問題のような気もします。
 
しかし、その結果に不服であるイカたちの逆襲がその翌日僕の身に災厄という形で降りかかってきたのです。そう、イカ焼きの在庫です。
 
一度に100個弱のタコ焼き的様相をとる食物を作ってしまったため、およそ30数個が冷蔵庫内のタッパーに鎮座してしまうという形になりました。
 
 
ということで、今週のNKDクッキングの食材は「タコ焼き的なもの」。完成品はPhoto欄にアップしておきます。
 
 今日のまとめは 「タコ焼きの中身をイカにするべきではない」 です。ユリイカ!(我発見せり!)
 
 
はい、最後の一言が言いたいだけでした。それではまた来週のこの時間にお会いしましょう。ハブ・ナイス・クッキング・デイズ!
 
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