self on

また電話が鳴った

数分前に着信履歴に残った番号が

再び、けたたましく携帯を鳴らしている

 

僕の電話は、二通りの鳴り方をする

音、それ自体は変わらないのだけれど、空気の重さが違う

どんな人からかかってきたとしても

どんな時間にかかってきたとしても

出るべき電話と、そうでない電話があるように思う

今夜は後者の鳴り方だ

電波の先で誰かが、沈黙という森の中で

僕が飛び出すのを今か今かと待ち構えている

爪を入念に研ぎながら、時には舌なめずりさえもして

そんな気がした

僕だってこんな夜中に、みすみす死にたくはない

 

昔から電話がずっと苦手だった

理由は未だにわからない

コール数、着信数、着信時間、話し相手

そのどれもが性格を表し

そのどれもが僕から“話す気”さえも奪っていく

 

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